前を向き、走り続ける勇気 [前編]AuB株式会社 代表取締役 鈴木 啓太さん
Release:2020.1.24

16年間の現役生活を浦和レッズ一筋でプレー、元・サッカー日本代表の鈴木啓太さん。引退後は、自身の経験からアスリートの腸内細菌を研究するAuB株式会社の代表へ。一見、畑違いの事業のように見えるセカンドキャリアを歩む鈴木さんですが、スポーツやアスリートの未来を願う想いは同じ。どんな時もポジティブに、そして冷静に物事を見つめる視線の先には、先人への感謝と未来を担うアスリートへの希望、サポーターへの愛。何より、サッカー界への熱い想いがありました。

まず現在の活動について教えて下さい

主に、アスリートの腸内環境の研究をしています。様々な種目のアスリートの腸内環境を解析、分析してそれが人の健康の課題にどう結びついているのかという事を研究しています。どのアスリートにも課題はあって、例えば体重のコントロールや疲労や怪我の回復、またメンタルコントロールなど。結局、選手寿命を長くしたり、パフォーマンスをあげたいという所から、コンディショニングが一番重要だということが自分自身の経験で気付いたんですね。それを腸内細菌という、新しい観点のソリューションで提供できないかなと研究をしている会社です。

実際にどのようなアスリートを研究していますか?

今は500人を超えるアスリートから便サンプルを頂いて、その数は1,000を超えます。競技でいうと27競技。サッカー、ラグビー、野球などのメジャーな競技からスケルトン、カーリングなど、様々な競技の研究をしています。

この事業を始めようと思ったきっかけは?

今までアスリートの腸内細菌は研究されていなかったんですね。そこには、コストや時間の面でも難しかったという技術的な背景もあって。それが2007年くらいからその研究が進むようになり、早く解析ができるようになりました。特徴的な被験者で調べることで新しい発見が生まれるので、自分自身の経験からアスリートを調べたら面白いことが出てくるのではないかという所が起業したきっかけでもあります。また、元々自分の母親から腸が一番大事だよと言われていて、「ウンチを見なさい」と(笑)。それで高校生の頃から腸内細菌のサプリを飲み始めて。なので、現役中もお灸や食後に温かいお茶を飲んだり、お腹の調子をすごく気にかけていました。そういう経験が積み重なっていった中で、引退する時に同じような事業をされている方がいたので、その人と話をした事も大きかったですね。

今でこそ腸内フローラなどが注目される時代ですが、その時代にお母様はすごいですよね?

ですよね、僕が実験台になった感じです(笑)
最初は何を言っているんだろうと思いましたけど(笑)。でも実感値として、便がしっかりと出ている時は調子がいいはずなんですよ。便秘や下痢だと、やっぱり体調が良くないですし。なので日々、便はコンディションや体調の判断基準になると感じています。

会社の代表として大事にしていること、またポリシーはありますか?

僕自身は研究をしている人間ではないですし、マーケティングとか管理をできるわけではないので、それぞれのポジショニングのプロフェッショナルに頑張ってもらっています。割と自由な会社ですが、それをまとめて意思決定をしていくのは自分自身ですので、ポジションも重要です。また研究開発型の会社なので、研究があって事業に繋がっていくというコアな部分というのは、みんなにも分かってもらいたい。そして 何より“アスリートの課題を解決する”という所を、会社の中では常に伝えていかなければいけないなと思っていますし、その課題を解決する中で一般の人の課題も解決するためのヒントを提供したいと思っています。自分たちの主語がアスリートということは経営してく上でも、数字を見ていく上でも無視はできません。我々は何のためにやっているのかということを常に問い続けているところは、僕自身が組織をまとめていく上での仕事だと思っています。

お話を聞いていると、すごく自身の経験が活きていると思うのですが、セカンドキャリアを生きる上で、サッカー選手としての経験が活きているなと感じることは多いですか?

基本的に自分は上手な選手ではなかったので、やり続けていくことや諦めない気持ち、チームのコネクティング的な部分も含めて個々の場所で輝ける選手がいる事が大事だと思っています。事業をサッカーに例えて考えると、結構クリアになってくるんですよね。そこはサッカーをやってきて活きている所ですし、やっぱり戦術や役割がはっきりしていないとチームとして力を発揮しづらいと思うので、そういう所も今の仕事において意識はしています。人生や組織、会社もそうですけど全てサッカーに詰まっているなと感じています。そこで一番大事なのは、監督がどんなプレーをさせたいのかという部分は一番伝えなければいけない所。自分自身はまだ監督兼プレーヤーだとは思いますけど、意識してやっていきたいと思っています。

後編(次週)に続きます。

interviewer:塩月 なつみ





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