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愛するまちに生きること -南伊勢から伝える想い- – ZAB 一般社団法人全国空き家バンク推進機構

愛するまちに生きること -南伊勢から伝える想い-西川百栄さん
Release:2020.2.19

三重県南伊勢町贄浦出身の西川さん。
生まれ育った町を出て、20代の頃は京都へ。その経験から、ふるさとの魅力に気付かされたことが多かったと当時を振り返ります。現在は、「南伊勢町移住定住コーディネーター」として働きながら、多くの活動を通じ地元を盛り上げています。彼女の活動の背景には、地元に対する様々な想いがありました。

20代の頃は京都で働かれていたそうですが、地元に戻るきっかけは?

若い頃は自分の町に閉塞感のようなものもあって、外へ出たかったんです。出ると最初は刺激もあって楽しいんですけど、たまに帰省する中で三重の良さに気付くようになって。自然の豊かさや人とのつながり、町の文化や星の綺麗さとか、こっちの方が暮らしが豊かだなと感じるようになりました。若い時には気付かなかった事がたくさんありましたね。それまで海外へ行って色んな人に会ったり、京都で一流の文化に出会えた事で自分自身の感性も変わってきたのかもしれません。

現在のお仕事内容を教えてください

今は、「南伊勢町移住定住コーディネーター」を主にしています。具体的には、移住希望者に対して相談対応や町の案内や、集落調査や空き家バンク登録業務。この町の魅力を発信することを第一にしています。地元に戻ってからは、伊勢市の出版社で働いていたのですが、家庭の事情で在宅仕事を探していましたが、それがなかなか見つからなくて。その頃、地元で何かできることはないかと県や農村漁村のセミナーに参加しながら、一方で皇学館大学と連携して立ち上がった「日本酒プロジェクト」に参加したり、伊賀市のライターさんと日本酒女子を普及する活動をしていました。そんな地元での活動(南伊勢地域連携日本酒プロジェクト日本酒女子普及委員会などなど) を色々していたら、現在のコーディネーターの声をかけてもらったんです。

全部個人で動いていらしたんですか?すごいですね。

そうなんですよ(笑)。地元のために何かしたいという気持ちは、出版社で働く頃から持っていて、いつかフリーランスになりたいなあと思っていました。私の地元は贄浦という所で、全部で200軒くらいの本当に小さな集落。歴史や文化があって、町は繋がっていくものだけど高齢化が進み人がおらへんし、若い子はどんどん都会へ出ていくという現象が起きていて。これを何とかできないかと思って、まずは区長さんや役員さんにお願いして、区公認のページとしてSNSで地元の様子を発信するようにしました。代々続く祭りの時期だけでも、誰かに帰ってきて手伝ってほしいと伝えたり、地元の日々の様子を綴った「贄浦ふるさと便り」は、もう5年目になります。

現在の拠点となる「むすび目Co-working」について教えて下さい

ここに地域おこし協力隊で来たライターさんが、自宅以外で仕事をする場所がないと言った事がきっかけでした。ここにはスタバもないですし、喫茶店はあるけど昔ながらの店なので、当然Wi-Fiもなくて(笑)。それならそういう場所を作ろうと「むすび目Co-working」というグループを結成して「しごとば 油屋Ⅱ」というコワーキングスペースを作りました。私も最初はコアーキングって?という感じでしたけどね(笑)。今はそこを拠点に、新しい仕事の発信や町のことをしていこうと活動中です。南伊勢には38集落あって、それぞれに個性や文化があって独立しているので、私たちが“結び目”になって地域や人を結んで行こうと。集落と集落、そして人と人をつなぐという目的を持ってできた場所なので、これからが楽しみです。

活動を通じて、一番伝えていきたいことは何ですか?

南伊勢は本当に自然が豊かで良いところがいっぱいあるんだけど、大きな観光地もないし施設もないんです。だけど、他にはない人と人とのつながりや、手つかずの自然には本当に癒されます。大好きなこの場所を、もっと発信してけたらと思っています。その協力隊できたライターさんは今その仲間として移住したんですけど、外から来た人の視点や魅力は私とはまた全然違っていて。地元の人と県外から来た人、そこを混ざり合わすことによって、魅力の発信方ももっといいものができると感じています。

私たちもそうですが、共に働く仲間の存在は大きいですよね。

そうですね。でも実は、最初はコーディネーターの仕事を断っていたんですね。自分の町だけのことをやりたいと思っていたし、移住してくる人ってセカンドライフを充実させたいだけなんじゃないかと思っていて(笑)。でも今の仲間たちや色んな人に出会うことで、この人たちの力を借りることはすごいパワーになるんじゃないかなって。自分や地元の人だけでやることも大事だけど、外から来た人と一緒にやることで南伊勢の魅力は何倍にもなるし、今までと違う事ができるような気がして受けることを決めました。あとは空き家のことも大きかったですね。「移住」だけではなく、今ここに住んでいる方の「定住」のことも提案してもらって、それもお受けする理由のひとつでした。

空き家の活動は、具体的にはどんな事をされているのでしょうか?

先ほど話した皇学館大学の学生さんとも活動しているので、その時に泊まれる場所があったらいいなと空き家を一軒紹介して頂いて。その空き家をみんなで掃除していると、築50年の家がどんどん見違える様に蘇ってくるんですね。そうやって空き家を、街の中でも活用してほしいと思っています。若い夫婦でも家を買うのは大変だけど、私たちがきれいにリノベーションして見せてあげることで、地域の人の意識も、家を持っとる人の意識も変わると思うんです。そういう活動を私はやっていきたいんです。

コーディネーターとして感じること、大切にしていることは?

一番感じるのは“魅力発信”の大事さです。
先日も全国から200ブース出ている大阪でのフェアに参加したんですけど、その中で南伊勢町です!と言っても、そんなん見にくる方にはどこか分からんのですよ(笑)。海がキレイとか山が綺麗とか言っても、だいたいどこも同じような状態で(笑)。その中で南伊勢を選んでもらうためには、本当に魅力発信が大事やなと。そこでも色んな街を見せてもらったけど、どこも本当に魅力がいっぱい。その中で南伊勢に移住定住してくる人が選んでくれる理由ってなんなんだろうと考えさせられました。実際に移住してくる人に話を聞きましたが、結局は「人」で選んどる人が多かったんですね。海の近くがいいとか、気候が温暖な場所がいいとかある中で、最終的には人だと。そういう「人の繋がり」をめんどくさいと思う方もいると思うんですけど、でもやっぱり都会にないものというか、都会で薄れてきとるものが、本来大事にせないかんものかなと思うんです。隣の人を気遣って生きるとか、昔からある祭りを大事にするとか、先祖代々守られてきたことを大事にするとかそういうところを大事にしていきたいし、南伊勢町はそれができる街だと思っています。

西川さん自身も、やはり南伊勢の魅力は「人」?

そうですね、人はもちろん自然の豊かさや美味しい魚、農産物。他にも沢山ありますが、実は魚は三重県で一番の漁獲量なんですよ。昔は鰹節やボラ網漁が有名でしたし、今でもカラスミなど季節に特化したものが沢山あります。そういう事を知らない人へもっとPRできるように活動していきたいですね。私たちの仕事は、誰もができる仕事ではないかもしれませんが、ある程度のスキルを持った人なら沢山やることはあります。そういう仕事ももっと表面化させたいです。京都で地元の仕事を探していた頃、ネット上にはない仕事が地元では沢山あったんですね。そういう所も、これから自分たちが発信して伝えていけたらと思います。

最後に、これからについて教えてください。

私たちの世代は、地元には何もないからええ学校を出て外で働きなさいと親に言われた世代なんですね。だからどうしても地元に帰りにくい人も多い。でも時代も流れ、親たちも本当は帰ってきてほしいと思っているんですが、働く場所ないやろと思うとるんです。だからこそ、まずは自分がモデルになって示していかなくてはと思っています。こうやって地元で働いています!と示す事で、親や街の人の意識を変えていきたい。南伊勢町というフィールドでやれることはいっぱいあるし、資源は山ほどあるので、もっと沢山の人に来てもらえる場所になれたらと思っています。

地元を愛し、自ら活動する西川さんの行動力には目を見張るものがありました。地方が抱える様々な問題に対し、真っ直ぐに取り組む西川さんの周りには大切な仲間の存在が不可欠。ですがそれは、彼女が歩んできた人生の証ではないでしょうか。周りを大切にしてきた西川さんだからこそ、今の仕事や仲間たちがあるのだと感じずにはいられなかった今回の取材。仲間からのパワーを受け、また与えながら、西川さんが南伊勢町から発信する多くのことを今後も楽しみにしています。

interviewer:塩月 なつみ





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