障がいは個性。- 一人ひとりに、まっすぐに - [前編]小玉圭一さん

「障がい者のために、何ができるのか。」

常に自問自答しながら、よりよい事業所を目指す椿の取り組みの背景には、大きな愛と勇気がありました。今年4月、障がい者のための就労支援施設をスタートさせ、今までにない新たな取り組みに挑む「一般社団法人 椿」。今日はそこで専務を務める小玉圭一さんにお話を聞いてきました。

最初に、この事業所をスタートさせた経緯を教えて下さい

ここは障がい者の就労支援施設B型事業所になります。利用者の皆さんは、お仕事もしますが一般に働く事へつながる訓練をする場所です。以前務めていた法人も同じ形態でしたが、雇用契約や最低賃金もない世界なので、利用者さんはだいたい時給100〜200円で働いているんですね。それを見ていて、「この子たちは将来どうするんだろう?」と。彼らのために、何かできないかなと思っていました。またある時、障がい者の方々が描いた絵を見た時に惹かれるものがありました。でも彼らには働くことにも色々な制限があるし、でもすごく面白いものを描く才能がある。それをどうにか活かすことはできないかなと思っていた時に、今の代表が声をかけてくれました。

転職すること、新しい事業の一員となることに迷いはありませんでしたか?

うちでは代表が清掃会社をしていることもあり、利用者さんは別府市から指定管理を受けた温泉の清掃業務をしています。他の事業所とは違い、仕事を通じ障がいのある人でも普通に生活し働く姿を、一般の方々に見て頂ける機会があるという点に魅力を感じました。あとはアートや絵画など、皆で楽しく過ごせる空間が生まれる事も描けたので迷いはありませんでしたね。

「椿」では、そこを改善すべく何か違う工夫があるのでしょうか?

うちは清掃会社をしているので、それなりの単価を頂けるので利用者さんにもある程度の還元ができています。そこは他にはない取り組みかもしれません。
もちろん、仕事に入るためのオリエンテーションは時給200円からのスタートですが、そこから清掃業務に入ると工賃が上がるような仕組みを取っています。

今までにないやり方を導入したり、工賃の面でもかなり勇気が要ったのではないですか?

そうですね、そこは企業努力のひと言に尽きます(笑)
でもただ工賃を上げていくのではなく、うちではまずはオリエンテーションという名のお勉強からスタートします。挨拶や個人情報の扱い、安全面などを教えて行きます。理解できる、できないは別として、利用者さんが将来的に一般の企業なり、上のレベルでお仕事をしていくためには最低限必要なことだと思うんですね。障がいがあるからと言ってやらなくて良いというわけではありません。市営温泉にも清掃に行くので、挨拶が出来なかったら僕たちはもちろん、利用者さん自体が「やっぱり障がい者だから」と思われるのが嫌なんです。

どうしても出来ないという方もいるのでは?

そういう時は、もう少し期間を伸ばして彼らがどうすれば出来るようになるかを考え工夫します。私たちは清掃業務をしているけど、結局清掃ができることよりも、ひとりの人としてコミュニケーションが取れるようになるかが大切。そこは他の事業所さんとの違いかなと思います。

これだけの想いを持って利用者さんに接する所がもっと増えたら、未来はとても明るいですね

そう思ってもらえると嬉しいですね。ただ課題としては、他の事業所さんとは少し違うので「ハードルが高い」と福祉関係の人に受け入れられない事も多いです。でもうちでは、どんな方でも受け入れて出来るようになる工夫をして行くだけなんですけど……ある程度出来ないと、ここには来れないと思われるみたいです(笑)そこは今、少しずつ伝えていこうとしている所です。

後編(次週)に続きます。




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